皆さん こんにちは!
2023・春 入口看板
約3年間のコロナ禍を乗り越え、当店はおかげさまでこの春で11年目の春を迎える事が叶いました。以下、長文になりますが、この10年間の出来事を簡素にまとめましたので 宜しければお読み下さいませ。これからもお客様のご来店を心よりお待ちしております!!
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思えば、東日本大震災の翌年2012年に始めたカフェでしたが、飲食店の経験も無い店主がこうして続けてこられたのも、ご来店いただいたお客様や支えて下さった家族や地元の方達、お手伝いしてくれた仲間や学生達のおかげであった事は言うまでもありません。
震災の直後、報道されるニュースを見聞きして失意とドン底のような気持ちで世の中これから一体どうなるんだろう?と当時はとても落ち込んでいました。しかし、気持ちを切り替えて事業を始める事を決断し、自分もこれまでよりもっと地元に根ざして暮らそうという衝動と、これからの時代を乗り越える為に何をすれば良いのか?毎日が手探りの日々でお店を営んでまいりましたが、振り返ればあっという間の10年間でした。
開業当時の店舗前。
お店を始めた頃は『こんな田舎でカフェなんか初めて本当にお客さんが来てくれるの?』などと周囲に揶揄された事もありましたが、3年、5年、7年と、節目節目で毎年身の回りの環境や状況が目まぐるしく変わる中で、この地方や田舎の中で暮らす事と、地域の文化や風景に可能性を信じてこれまでお店を続ける事は本当に面白く、だけど とても大変な日々だったと感じています。
開業当時の入口看板。
そしてコロナウィルスの感染拡大という予期もせぬ出来事や目の前の避けられない現実に、当時はお店の在り方を改めて何か別の事業を始めてみようか?など、何度も頭を悩ませました。
しかし、この3年間 様々な支援事業や、何よりも感染収束中に合間を見計らいご来店いただいたお客様には心身とても励まされたものです。本当に感謝の言葉しかありません。助けて下さった皆様、改めて ありがとうございました。
・・・とは言え、コロナを乗り越えたからといって安堵もしていられませんでした。開業当初よりずっと心配していた出来事があったのです。それは何かと申しますと、当店内外をパッと見ただけではわかりませんが、実は長年の心配の種であったこの古民家の老朽化です。
2023・冬 店舗前にて
というわけで、当店は10年目の冬を迎えるにあたり、思い切って断熱施工も兼ねた大規模な修繕工事をまとめて行う事になりました。曽祖父の代である1952(昭和27)年の建築された大きなお家ですが、お店の開業から10(2012)年ぶりの、そして祖父から父と母が引き継いだ時以来の、実に36(1986)年ぶりの大きなテコ入れとなります。
カフェスペースと正面玄関の床や玄関と周り廊下の断熱施工、そして宅内の中心部分から玄関に至るまで打設されていたコンクリート床を壊して、腐敗していた木の土台を重くて大きな古い家をジャッキアップして交換する作業は大工さん達も本当に大変だったと思います(大工さん達の仕事ぶりが本当にカッコ良かったです!!)。
まだ将来的には改修工事を済ませなければいけない部分は追々とあるのですが、2023年の新春には無事工事を終える事が叶いました。けれども、今までご来店いただいた事がある方は、一体以前と どこが変わったんだろう?と思うかもしれません。
簡単に説明致しますと、一つは、カフェと正面玄関の床が、コンクリートから “温もりある木のフロア” に変わりました。なので天井だけ見ているとどこが変わったのか全くわかりません(笑)。
カフェスペースと玄関の床コンクリートを破つる。
むき出しになった三和土の名残。
コンクリート接面部分の腐敗していた土台を交換。
もう一つは、冬季になると寒かった民宿スペースの周り廊下部分と玄関に2重建具を備え付けました(暖かい季節には外します。)。これで冷たい隙間風が殆ど入ってこなくなった為、暖房をつけても以前より熱が逃げにくくなりました。
周り廊下の二重建具。隙間風や熱が逃げるのを防ぎます。
『東北の古民家=寒いお家』、というイメージは変わらないかもしれませんが(それも醍醐味なんですけどね・笑)毎日暮らしている自分にとってその変化が肌でよくわかります。お陰様で寒波が来る前に工期の前半を終え、例年よりも暖かい大晦日を迎える事が出来ました。有難いです。
カフェスペース・改修工事後の店内 ①
カフェスペース・改修工事後の店内 ②
玄関・改修工事後の店内 ③
そして無事 改修工事も終え、11年目の春を迎える事は出来ました。これからも観光やドライブなどで県内外から訪れるお客様を気持ちよく迎えられる様なお店であり続けたいと考えております。
椅子やテーブルは床以外前とほぼ同じ位置に戻りました。改修工事後の店内 ④
ご来店いただいた皆様のおかげで、このお店や里山での暮らしを続ける事が叶えられているのだなと思うと、なんというか、毎日がクラウドファンディングの様な感じでお客様に喜んでいただけたらいいなという接客や気持ちが自分達に出来る最も大切なリターン(お返し)だったのだと思います。
古民家の維持管理や庭の手入れ、周囲の草刈りなどなど、自然を相手にする事は決して楽しい事ばかりではありませんが、近年は田舎暮らしや地方への移住などを考えている方もいらっしゃる中で、少しでもそういった気持ちや考えをお持ちの皆様の参考になれるような場所であったり、よりどころになれればといいなと思っております。
カフェスペースにてお客様と談話しながら。珈琲とスイーツのセット。
簡潔に締め括りたいと思いますが、自分はこの男鹿半島が大好きです。10年間、皆様には本当にお世話になりました。いらっしゃるお客様やお店の在り方は時代に沿って変化していくかもしれませんが、どうぞこれから先も『里山のカフェ ににぎ』をよろしくお願い申し上げます!!
長い間 床下に眠っていた(?)古い金槌。
最後に、この度改修工事にあたって下さった業者さん達にも深くお礼と感謝を申し上げます!重ねてありがとうございました!
2023年 5月 店主より